職場として良い美容クリニックとNGな美容クリニックの見分け方。ナース転職時要チェック!

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今回はナース転職時に参考にしていただきたく、職場として良い美容クリニックとNGな美容クリニックの見分け方について解説していきたいと思います。

本題に入る前にまずは簡単に筆者の自己紹介をさせていただきます。

筆者は美容業界歴5年目の現役美容ナースです。現在に至るまで美容外科、美容皮膚科、脱毛専門クリニックの3領域で学んできました。また、美容業界内での転職も経験しており、大手クリニックと小規模クリニックの両方で働いた経験があります。

現在は美容外科、美容皮膚科を扱う小規模クリニックにて管理職として働いており、来院される患者さんと、一緒に働くスタッフの双方にとって優しいクリニック作りに日々励んでいます。

複数のクリニックで働いてきたからこそクリニックごとの良い面、悪い面を学ぶことができたので、今回は私が今までの経験から得た良い美容クリニックとNGな美容クリニックの見分け方をご紹介していけたらと思います。

入職したらここをチェック!良い美容クリニックとNGな美容クリニックを見分ける8つのポイント

それではまず入職したらチェックするべき、良い美容クリニックと悪い美容クリニックの見分ける8つのポイントを一気にご紹介していきます。

  • ①職場環境の清潔感が保たれているか
  • ②ドクターや他の職種との意見交換が盛んに行われているか
  • ③先輩スタッフが後輩・新人スタッフの意見を取り入れる姿勢があるか
  • ④インシデントが発生した時に今後の対応策についてきちんと話し合いがなされているか
  • ⑤相手を思いやった注意の仕方ができているか
  • ⑥産休・育休を取りやすい雰囲気か
  • ⑦残業時間は予め聞いていた通りの時間と同程度か、休憩時間がしっかりと確保されているか
  • ⑧カウンセリング時の患者さんへの提案が患者さん想いの提案か

以上が見分けるポイントになります。

良い美容クリニックとNGな美容クリニックを見分けるポイントを項目ごとに解説

それではここからは良い美容クリニックとNGな美容クリニックの見分けるポイントについて、項目ごとに細かく解説していきたいと思います。

①職場環境の清潔感が保たれているか

まずは職場環境の清潔感が保たれているかです。

こちらは患者さんが使用する空間だけではなく、スタッフだけが使用する空間も含めてになります。

おもてなしを重要視する美容クリニックであれば患者さんが過ごす空間の清潔感を保つのは当たり前のことかと思いますが、スタッフルームまで綺麗なクリニックほどクリニック内の細かい部分まで手が行き届いている傾向にあるなと実感しています。

クリニックごとに内装はそれぞれ異なり、ゴージャスな空間に作り上げているクリニックもあれば、質素な作りのクリニックもあります。構造的な部分は私たちスタッフの力では変えることができませんが、清潔感を保つということはスタッフの意識次第でいくらでも変えられる部分です。

患者さんにとっての居心地の良さという点でも、働くスタッフの居心地の良さという点でも重要な観点かと思いますので、売上ばかりに注目するのではなく、根本となるおもてなしの意識がスタッフ全体に浸透しているかを判断する上でも職場環境の清潔感が保たれているかは確認するようにしましょう。

②ドクターや他の職種との意見交換が盛んに行われているか

次にドクターや他の職種との意見交換が盛んに行われているかです。

美容クリニックには様々な職種が存在しており、ドクター、看護師、看護助手、受付、カウンセラー等々多岐に渡ります。

そしてそれぞれの職種で患者さんやクリニックを見る視点は異なります。

それぞれ視点が異なるからこそクリニックの良い点、悪い点が見つけやすく、みんなでクリニックをより良い方向に改善していけるのだと思います。

しかしながら職種間の意見交流があまり盛んではなく、例えば「ドクターの指示が絶対だからそれに従わないといけない」「全部署が話し合いの場を設けるのは月に1回のミーティングのときだけ」というクリニックも存在します。

誰かの意見に偏っていると視野が狭くなりやすく、交流が少なければ何か対応を変える必要が出た時にスピード感に欠けてしまいます。

常にクリニックの改善・向上を意識しているクリニックでは職種を超えた意見交流が盛んに行われているので意識して見てみるといいでしょう。

③先輩スタッフが後輩・新人スタッフの意見を取り入れる姿勢があるか

次に先輩スタッフが後輩・新人スタッフの意見を取り入れる姿勢があるかです。

先に述べた職種間での意見交換とも重なる部分も多いのですが、先輩スタッフが積極的に後輩・新人スタッフの意見を取り入れてくれるクリニックは良い職場です。長期間にわたって同じクリニックで働いていると日々の業務に違和感を感じにくくなってしまいます。そのため非効率な部分もそのままにされてしまうことが多いのです。

だからこそ後輩・新人スタッフが挙げてくれる「これはこうした方が効率的な気がします」「この書類のこの言い回しは分かりにくい気がします」「この業務はなぜする必要があるんですか?」という意見は日々の業務の質を見つめ直すために大変貴重です。

それにもかかわらず先輩スタッフが「ずっと前から決まっていることだからそれに従ってください」と流してしまうような職場だと、スタッフの意見が反映しづらく、良い方向に改善していくことが期待ができないクリニックといえるでしょう。

④インシデントが発生した時に今後の対応策についてきちんと話し合いがなされているか

次にインシデント(=ミス)が発生した時に今後の対応策についてきちんと話し合いがなされているかです。

人間ですから、勤務年数に関わらず誰もがミスをするものです。ただ、そのミスが起きた時に「次から気をつけましょう」で終わってしまう、もしくは「なんでそんなミスをしたんだ」とただ怒るだけのクリニックはあまり良いクリニックではないでしょう。

失敗をそのまま放置してしまうと、必ず同じ失敗は繰り返されます。ミスする分だけクリニックや患者さんへ迷惑がかかり、ミスした本人は落ち込んでしまうと良いことが何もありません。

失敗を学びの機会として捉え、ミスが起きてしまった原因分析と仕組みの改善をその都度していければ、クリニックにとってよし、患者さんにとってよし、スタッフにとってよしと三方良しになります。

良いことだけでなく、悪いことが起きた時にどういう対応をする職場なのか。この点も良い職場かどうか判断する一つの項目となるでしょう。

⑤相手を思いやった注意の仕方ができているか

次に相手を思いやった注意の仕方ができているかです。

スタッフ間の仲が良いと言うのは大変素晴らしいことです。

しかし注意するべきことも言い合えず仕事自体がなあなあになってしまうのは問題です。

そして注意ができる関係だったとしても強い口調で注意し相手を傷つけるような表現になってしまうのは論外です。

相手のどんな部分がどうしてだめなのか、どう改善していくべきかを一緒に考えられてこそ、本当の意味で仲の良い職場と言えると思います。

新人の頃にはわからないことも多く、自ずと注意を受ける機会が多くなってしまいがちです。そのときに指導してくれる先輩は相手にもっとよくなって欲しいと思いながら注意・指導をしてくれているでしょうか。

これが自然とできているクリニックは雰囲気もよく、クリニック運営にも当事者意識をもって携われるスタッフが多い傾向にあると思います。

⑥産休・育休を取りやすい雰囲気か

次に産休・育休をしっかり取れているかです。

こちらに関しては大手のクリニックであれば福利厚生が整っているのでさほど心配はいりません。

注意すべきは小規模クリニックです。

基本的には法律で定められているので産休・育休は取得できるのですが、それが「取りにくい」雰囲気のクリニックが少なからずあります。

また、育休後の勤務条件がクリニック側と折り合いがつかず仕方なく辞めてしまうというケースもあります。美容クリニックで働く年齢層は20代後半〜30代前半が多く、結婚・出産を控えている年代でもあります。

自分のライフステージに合わせながら長く働きたいと考えている場合は育休・産休の取得実績があるか、職場復帰はしやすい環境か確認しておくとよいでしょう。

⑦残業時間は予め聞いていた通りの時間と同程度か、休憩時間がしっかりと確保されているか

続けて残業時間は予め聞いていた通りの時間と同程度かどうか、休憩時間がしっかりと確保されているかです。

仕事とプライベートのメリハリをつけて働きたいという方は多いと思います。

そのため転職活動時に求人情報等を見て、残業時間が少ないクリニックなのか、休憩時間は何分確保されているのかは予め目を通している場合が多いでしょう。

しかし、実際に働いてみた時に得ていた情報と少し異なるクリニックも中にはあります。

たとえば早番と遅番があるクリニックでそのクリニックの雰囲気として早番が定時になったとしても遅番の細かい手伝いをしてから上がるのが常態化しており、長時間残業とは言わないまでも1日30分程度長く働くことがよくある、という場合もあります。

休憩時間についても1時間と聞いていたけれど、休憩時間の枠を予め確保してもらえているわけではなく、予約と予約の間の15分、20分、短いと5分などのの空き時間で休憩を取り、それがトータル1時間になるようにしている、というクリニックもあり、思ったように体を休めることができない、という場合もあります。

上記のような内容は求人情報には載せておらず、面接のときにさらっと話されることが多いです。メリハリをつけた働き方をしたいと考えている方はこのような部分についても予め把握しておくように意識しておくとよいでしょう。

⑧カウンセリング時の患者さんへの提案が患者さん想いの提案か

最後にカウンセリング時の患者さんへの提案が患者さん想いの提案かどうかです。

これは私が考える良い職場か見分けるポイントの中でも特に重要なことだと思っています。

美容クリニックは自由診療のため売上が重要視される業界です。そのため、自分のクリニックに価値を見出して施術を希望していただけるようにカウンセリングを行います。

ここで重要なのが、患者さんの悩みを解決するための提案ではなく、自分たちの売上を重要視した提案になっていないかということです。

これは私の体験談になりますが、以前大手美容クリニックにて勤務をしていた際に、「患者さんの悩みは○○なのにどうしてこの治療になったんだ」と思った経験が何度かありました。つまり、提案されていた施術内容が患者さんの悩みにしっかりと即しているものではなく、クリニックにとって利益になりやすい施術だったのです。

売上げを上げることが重要な業界であることは十分理解しているのでそれが間違っていると言う気持ちはありませんが、やはり違和感は覚えました。

そして現在は患者さんの悩みを解消することだけに注力しているクリニックで働けているので以前よりもよりやりがいを感じながら働けているという実感があります。

患者さんとの信頼関係を重視したい、営業的な雰囲気はあまり得意ではないという方は必ず着目するべきポイントといえるでしょう。

自らの力で良いクリニックに導く努力もしてみよう

ここまで職場として良い美容クリニックとNGな美容クリニックの見分け方についてご紹介してきました。もしも現在すでに美容クリニックで勤務されている方がいらっしゃいましたら、自分の職場は良い美容クリニックでしでしょうか。それともNGなクリニックでしたでしょうか。

今回お伝えした内容はクリニックの構造的な部分で変えられない部分も中にはあったかもしれませんが、大部分はスタッフの考え方次第でいつでも良いクリニックに変わっていける内容だったかと思います。

自分が現在働いているクリニックはNGな部分が多いからといって「仕方がない、転職に失敗した」と諦めるのではなく、自分のため、後輩のためにも「クリニックを良い方向に導くために何かできないか」と当事者意識を持って行動することが必要かと思います。

また、現在転職を考えている方で今回の内容を参考にしつつ「転職してよかった」と思える職場に出会うことができたならば、今後さらに良いクリニックとなっていくために自分自身も貢献できるよう頑張っていきましょう。

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つーさん
岩手県出身。アラサー。学生時代は地元で過ごし、新卒で都内の大学病院に勤め看護師生活をスタート。美容ナース歴は5年目。