女性看護師目線で考える脱毛クリニックでの男性患者の対応方法について

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今回は女性看護師目線で考える脱毛クリニックでの男性患者の対応方法についてお話ししていきたいと思います。

「脱毛」というと女性のイメージがまだまだ根強くはありますが、最近では男性の方々も気軽に脱毛の施術を受ける人が増えてきました。
数年前に電車内で男性向けのエステ脱毛の広告を初めて目にした時には驚きました。それを皮切りに注目を集め、その後男性向けのエステ脱毛、そして医療脱毛の人気が上昇してきました。今後も人気は加速し、男性向けの脱毛クリニックは増加していくことが予想されます。

今後増加していくであろう男性向けの脱毛クリニックに関して、女性と男性で対応や施術に関してどういった部分に違いがあるのか、注意すべき点は何かという部分に今回は着目していきます。是非最後までご覧ください。

男性に人気のある脱毛箇所はどこ?

男性向けの脱毛クリニックについて知るためにまずは人気のある脱毛箇所についてみていきましょう。

女性の場合だとまずは「脇」が不動のナンバーワンの人気を誇ります。医療脱毛でもキャンペーン等で1回500円で施術が受けられることもあり、まずは脇の脱毛を試しにやってみようという方が非常に多いです。

それに続けて人目につきやすい「肘下・膝下」や、自分では処理の難しい「VIO」が人気となっていましたが、現在では全身脱毛を選ぶのが主流となってきています。脱毛クリニックが急増し、価格競争が起きたことで全身脱毛が以前に比べ安価に受けられるようになったことが理由の一つと言えるでしょう。

しかし男性向けの脱毛クリニックは女性向けのクリニックに比べるとまだまだ規模が小さく価格が高い傾向にあります。全身脱毛を行っているクリニックもありますが、みんなが手を出しやすい価格帯とは言えないため、気になる箇所を選択してその部分の脱毛を行うというのが男性脱毛の特徴と言えるかもしれません。

そして男性に人気のある脱毛箇所はダントツで「髭脱毛」です。男性の脱毛はまずここから入ると言っても過言ではないかもしれません。髭を剃るというのは1日の中でわずかな時間ではありますが、男性にとって毎日の髭剃りは面倒な作業だという方々が多いです。私たち女性も全身脱毛をすることで日々の自己処理のストレス、自己処理にかかる時間から解放され生活の質が向上することを実感できるかと思いますが、男性にも同じことが言えるのです。

また髭脱毛をすることで肌荒れを起こすことが減ったり、肌のトーンが上がるため清潔感が得られやすくなるというメリットもあります。顔は自分からも他人からも目に付く場所なので、やってよかったと実感しやすい箇所なのでしょう。

その他に人気のある箇所としては膝下、いわゆる「すね毛」の脱毛です。
夏場になると男性の足元の露出ファッションはよく見るものとなりました。最初はアンクル丈で足首が見える程度でしたが、男性のズボン丈は年々短くなっているようで、今では膝上丈まで短くなってきました(笑)。そうすると必然的に足元が目につきやすくなるのでお手入れをする男性が増えてきているということになります。

男性の中性化が進んでいる昨今なのでツルツルにしたいという人も少なくないですが、毛の量を減らして自然な量にしたいという希望の方もいらっしゃいます。この「ツルツルではなく毛量を減らしたい」というのは女性にない脱毛の要望と言えるでしょう。

その後は自分が気になる箇所をパーツで選択していったり、ツルツルが希望の場合は全身脱毛にしたりという流れになることが多いようです。

以上が男性の脱毛箇所として人気のあるパーツとなります。

実際男性向けの脱毛クリニックってどんな感じなの?

ここからは男性向けの脱毛クリニックの雰囲気について説明していきたいと思います。

男性が脱毛の施術を受けることができるクリニックは、男性のみを受け入れる男性専門の脱毛クリニックと、男女どちらも受け入れを行っているクリニックとがあります。

これらのクリニックもカウンセリングルームや施術室が基本的に個室であることや、プライバシーに配慮した雰囲気などは女性専用の脱毛クリニックとほとんど変わりがありません。

しかしながら男女どちらも受け入れているクリニックの場合、もちろん施術時のプライベートは確保されているのですが、患者さんによっては待合室で顔を合わせたり、脱毛に関する話を聞かれたりすることに抵抗を感じられる方もいらっしゃいます。
待合室での席の配置や、話す内容が聞こえないようにするなどの配慮が男性専用、女性専用の脱毛クリニックよりも必要となります。

クリニックで働くスタッフについては男性専用クリニックでも全て男性のみというクリニックはまだまだ少なく、全て女性、もしくは男女どちらも働いているというのが一般的です。
患者側からは「できれば男性スタッフに担当して欲しい」と希望を受けることも多いので男性看護師の採用は積極的に行われています。

看護師として働いている方々はわかるかもしれませんが、女性のみの職場と男性が一人でもいる職場はなんとなく雰囲気が違います。後者の方が女性特有のねちねちした感じが少ないと感じる方が多いのではないのでしょうか?

もともと女性スタッフのみの脱毛クリニックから男性看護師が在籍する脱毛クリニックに転職した知人は「やっぱり男性看護師はいた方が雰囲気がいい!サバサバしてる!」と話していました。

全てのクリニックがそうだということではないと思いますが、仕事をする上で職場の雰囲気を重要視している方にはおすすめと言えそうです。

女性とどこが違う?男性を対象とした脱毛の実際のところをご紹介

筆者自身も男性の脱毛経験があるのですが、実際に男性の医療脱毛に携わってみて「ここが女性とは違うな」と感じる部分がいくつかありました。そして女性相手よりも男性相手の方が個人的には仕事がしやすいとまで感じました。ここからは私が脱毛看護師目線で感じたことをお伝えしていこうと思います。

男性は産毛に悩まないので楽

私が男性相手の方が仕事しやすいなと感じた1番の理由は男性は産毛に悩まないという点です。

女性の脱毛に携わっていると「この部分だけ何回やってもなくならないんです」「私は産毛までゼロにしたいんですけど、あと何回やればいいんですか?」という完全ツルツル主義の患者さんに必ず当たります。もちろん筆者も同じ女性だから気持ちは大いに分かります。しかし産毛まで綺麗にするとなると現代の技術では難しいこともあるのです。患者さんの希望や訴えを聞く度にそれに十分に応えられず心苦しいなと感じる場面は幾度となくありました。

ですが、男性患者を相手にしていると基本的に「僕、産毛があることすら許せないんです!」みたいな方はいません。もちろん全身ツルツルを望む方もいらっしゃいますが、ツルツルにするのが目的ではなく「ある程度毛量が減ればOK」という気持ちで脱毛をしている方も多いです。そのため女性と比べると男性の方が明らかに脱毛のゴール設定が緩いため、先に述べた施術者としての心苦しさ等は感じづらく働きやすいなと感じました。

男性の脱毛の施術に入ることに緊張するのは最初の2回くらい

異性の脱毛を担当するのは経験がないと「なんだか恥ずかしい」「緊張する」と感じる方が看護師側でも多いようです。
女性相手では感じない初めの頃の緊張感は男性の脱毛ならではかと思います。
看護師の中で新卒で美容クリニックに入職する人は少ないため、「新卒で美容クリニックに顔脱毛程度ならさほど問題はないですが、実際に身体の施術となるとそういう気持ちが出てくることは自然なことだと思います。

でも安心してください。すぐに慣れます(笑)。

看護師ならば病棟勤務中に排泄のケアであったり、身体の清潔を保つためのケアであったり、あらゆる看護ケアを経験してきたかと思います。
看護学生の頃は「なんか抵抗があるな…」と思っていたケアも、看護師として働くようになってからは涼しい顔でこなせていると思います。

筆者自身も男性の脱毛に初めて入ったときは少しの緊張がありましたが、2回入れば「こういう感じか!」とすぐ慣れることができました。

ですが、中には男性の脱毛に抵抗はないけれど、男性器の脱毛は抵抗があるという方もいます。
クリニックによっては男性器を照射するのは男性看護師のみと決めているクリニックもありますので、もしも上記のような気持ちがある方はそのようなクリニックを見つけて働いてみるのがいいかもしれませんね。

ここに気をつけて!男性の脱毛の施術時の注意点

羞恥心に徹底的に配慮する

まずは相手の羞恥心に徹底的に配慮するということです。
先程看護師側が男性の施術に入るときに初めのうちは緊張するというお話をしましたが、それは男性患者さん側も同じです。

むしろ私たち看護師側は1日に何人もの患者さんの施術に入り、それを毎日繰り返しているので慣れが生じてきます。
ですが患者さん側は多くても1ヶ月に1度の来院で、人によってはなかなか雰囲気に慣れないという方もいらっしゃることでしょう。
脱毛看護師としてのスキルが高くなり手際が良くなってきたとしても、常に患者さんは施術を受ける際の緊張感や羞恥心があるということを忘れてはいけません。

タオルの掛け方や外し方、剃毛時や照射時など身体に触れるときの声の掛け方など、異性だからこそ、そういった細かい部分の配慮を大切にしていきましょう。

痛みに対するケアを行う

男性は脱毛時に痛みを感じやすいため痛みに対するケアを行うことも大切なことです。

脱毛に関しては毛量が少なく毛が細い人よりも、毛量が多く毛質がしっかりとしている、いわゆる毛深い人の方が痛みを感じやすいです。レーザー脱毛は毛のメラニン色素に反応することで毛を生えにくくしますが、毛深い方は毛が密に生えているため反応するメラニン色素も多く痛みが強く出てしまう傾向にあります。これは男性も女性も変わりません。そして女性に比べ男性の方が圧倒的に毛量が多いため、男性の方が必然的に脱毛時に強い痛みを感じやすいということになります。

毛が濃い部分を照射するときにはスピーディーに照射することよりも相手の苦痛が軽減されるようにスピードを抑え、声かけをしながら行うようにしましょう。

またエステ脱毛にはない医療脱毛の特徴として麻酔を使用し痛みを軽減できるというメリットがあります。毛量が多い男性にとってはエステ脱毛も医療脱毛も同等に痛みを感じると言われていますが、医療脱毛は医師や看護師等の有資格者が行う施術のため笑気麻酔やクリーム麻酔を使用することができるのです。

笑気麻酔はリラックス麻酔とも呼ばれますが、笑気ガスを吸うことでお酒に酔った時のような「フワー」っとした感覚になり痛みの感じ方を鈍くさせます。そしてクリーム麻酔は痛みが強い部分にあらかじめ塗布し、15分〜30分程度時間を置くことで痛みを感じにくくしてくれます。どちらの麻酔も注射の麻酔のように完全無痛とはなりませんが、使用した方が明らかに楽になったと話される患者さんが多いです。

しかし痛みを鈍くさせることはメリットのように思えてデメリットもあります。痛みを感じにくくなることで出力を高くしても耐えられるようになり、結果として火傷に気づきにくくなるということがあり得ます。そのため医師による適切な出力指示と看護師による照射時、照射後の肌観察は極めて重要となることを意識しておきましょう。

性別にとらわれず、みんなを美しくする看護師になろう!

今回は女性看護師目線で考える脱毛クリニックでの男性患者対応についてお話ししてきました。

少し前までは美容は女性がすること、脱毛は女性がすること、というイメージが強く、美容業界の患者さんは女性が大多数を占めていました。しかし今では男性も女性と同様に美しさを求めるのが当たり前となってきています。

年齢や性別関係なく、人それぞれが持っている自分の理想像に近づけるサポートができる美容看護師・脱毛看護師というのは非常にやりがいのある職業だと思います。

特に脱毛看護師に関しては身体のデリケートな部分も施術する必要があるため、異性に関する対応で難しさを感じることも少なくはありません。ですが難しいからこそ、その部分の気遣いができる看護師は患者さんからより強い信頼を得ることができるのだと思います。

相手の求めることを理解し、相手の気持ちに配慮する。このことを忘れずに、より多くの患者さんをきれいにできる看護師を目指して頑張っていきましょう!

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つーさん
岩手県出身。アラサー。学生時代は地元で過ごし、新卒で都内の大学病院に勤め看護師生活をスタート。美容ナース歴は5年目。