クリニックに転職をする時、クリニック内の組織がどうなっているか、管理職の職務と責任、お手当など条件が気になりませんか? 入るときは一般の職員でも、年数が経てば役職がつき、スタッフをマネージメントしていくことも考えられます。
今回は美容クリニックの組織、ナース、カウンセラーなどスタッフの役職に焦点を当てて、お話します。一般企業と少し異なる環境の美容クリニック運営の裏側を元美容クリニックカウンセラーがお伝えしたいと思います。
美容クリニックの組織
どの業種でも社会人として仕事を続けるうえで気になることのひとつは昇進、昇格ですよね?
会社や上司から仕事を認められた証のひとつが昇進だからです。責任も重くなり、仕事の範囲も広がるかもしれません。しかしただ勤めるのでなく、昇進して役職者として仕事をすることは大きなやりがいであると同時に給与にも反映されます。
美容クリニックの組織構成とスタッフであるナースや医師、カウンセラー職の役職はどのように設定されているのでしょうか。
まず大手美容外科と個人経営のクリニックでは組織の幅が違います。大手美容クリニックには医師だけでも100名近く在籍してるところもあります。統括医師がいて、地方の分院で決まった曜日に診察を行うことがあります。
それ以外にも各分院に院長、副院長が在籍しクリニックを運営しています。運営側には、マーケティング活動を行う広報部、コールセンター部などそれぞれの部署に数多くの人がいます。
一方個人経営のクリニックでは開院した医師が院長をしていて、医師はその院長だけの場合が多く、複数いる場合も多くても5人以内です。運営側は広報、総務などを最小限の人数で回しているクリニックが多いのではないかと思います。
私は個人経営のクリニックに勤めていました。入社当時はクリニック内の看護師、カウンセラーには役職者はおらず、事務や広報の運営側には役職が存在し、コールセンター部の部長、広報部の主任などの役職者が在籍をしていました。カウンセラー、看護師内では勤務年数が長いスタッフが雑務などを取りまとめていました。
勤めて1年ほど経った時、クリニック拡大に伴い看護師、カウンセラーにも役職制度が導入されるようになりました。看護師には「主任」、カウンセラーには「部長」という役職ができることになりました。
クリニック内の役職
役職者になるフタッフとは
役職者に選ばれたスタッフは今までカウンセラーをまとめていたベテランスタッフ複数名でした。
もともとその先輩方がカウンセラー内のすべてをまとめていたため、当然の流れで部長になりました。勤続10年以上で院長のサポートや、カウンセラーのシフト作成などカウンセラー業務の仕事だけでなくクリニック内部の様々なことを任されている先輩方でした。
役職者としてカウンセラー内部の統制、採用関係、新入社員教育の役割が増え、責任ある仕事が増えていました。時に残業をして事務処理をしていることもありました。
この流れはクリニックにとって統制が取れて良いことではありましたが、新しい環境に慣れないため最初は戸惑うことがありました。役職者の仕事が増えることで、今までカウンセラー内の雑務が一般のスタッフに廻り、スタッフの業務も変化していました。
看護師の役職者については以前長く勤務していた方が役職者として再度クリニックに戻ってきて、業務の全てをまとめて取り仕切っていました。断片的な部分しか見ることができませんでしたが、手術室内の取りまとめに、外来看護師や医師との連携もあるので様々なことをこなす必要があったと思います。
役職者手当とは
役職手当は主に主任、部長と役職名がついているスタッフに手当がついていました。その金額は5~10万円の手当が支給されていたと思います。
クリニックにより異なりますが、役職者になるまでに大よそ勤続3~4年ほど勤務を継続し、職務実績を元に「主任」などの役職がつき手当がでることが多いです。もちろん前職で美容クリニックでの管理職だった場合には最初から役職がついたり、試用期間後に役職がつくこともあります。
未経験者であっても日々の努力の積み重ねで役職者として活躍することは可能だと思います。
他のクリニックの組織図、役職は?
一般企業と比較して謎の多い美容クリニックの内部ですが、冒頭で少しお話をしましたが、クリニックの規模により組織図が大きく異なります。
大手クリニックは沢山のクリニックを経営しているので、役職者や組織図が明確化されているため一般企業とあまり差異はないと思います。
一方、個人経営しているクリニックは千差万別だと思います。もしかしたら役職者が存在しない可能性もあります。
私が勤めたクリニックでは院長や運営側の社長を中心に運営チームとして広報、総務、コールセンター、クリニック内の医局、看護師、カウンセラーで構成されていました。それぞれが連携を図る体制でクリニックの運営がされていました。どちらかというと少人数で、長く勤めているスタッフも多く、アットホームな環境であり、この組織は私にとっては働きやすかったと思います。
まとめ
役職制度が導入されて先輩方の仕事内容が大きく変わったということはありませんでしたが、運営側が行っていた業務が一部役職者に移され、役職者の仕事が増えたという印象でした。
クリニック内の役職者は現場管理を一手に行う「現場監督」という言葉がイメージしやすく分かりやすいように思います。またクリニック内の様々な業務を行うので院長や運営チームとより連携が必要になり、ミーティングや売上について考えていく必要があるため重要な役割となり、大変な様子を垣間見ました。
下で働くスタッフも、役職者ができる前は誰に相談したらいいのか悩むことも多々ありましたが報告、連絡、相談できる上司ができたことでクリニック内の統制が取れて良かったのではないかと思いました。
美容クリニックに転職活動をするときに面接などで、管理職を目指すのであれば、役職者になるための条件などを必ず確認すべきだと思います。
この確認は自分のやる気を伝えることもできますので、決して面接で不利になる質問ではないので積極的にしてもよいと思います。組織で、役職者を目指さすことは、キャリアアップやモチベーションの向上に繋がります。とても大切だと思いますので、是非頑張ってくださいね。