美容外科元カウンセラーが教える中途採用でクリニックの書類選考・面接に受かるコツ

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美容外科の顔であり、患者さんと最初に接する重要な役割を担うカウンセラー職。

美容外科カウンセラーへ転職を検討している方に、クリニック選定の基準、書類選考、面接対策における「採用されるポイント」を元美容外科カウンセラーが伝授します。

カウンセラー経験者だからこそ語れる採用の裏側を知ることで、転職活動を有利に進めましょう!

私の経歴、美容外科カウンセラーを目指した理由

新卒でアパレル販売員として働いていましたが、販売員の長い拘束時間や給料などの勤務条件に疲れを感じていたため、転職を決意しました。

転職をするにあたり、自分の興味ある分野をもっと深く知りたいという思いと、今よりも収入アップさせたいという2つの希望を持って転職活動を始めました。

その中で見つけた美容外科カウンセラーという仕事。美容外科と無縁の生活を送っていましたが、昔から美容に興味があり、今とまったく異なった環境での仕事にとても興味が湧きました。しかも給料に関して、ベースアップすれば私が希望した金額になる点にも魅力を感じて志望しました。

美容外科カウンセラーへ転職するために必要な準備

美容外科カウンセラーの仕事を知る

まずは情報収集で、転職サイトに登録すると同時に美容外科のカウンセラーという仕事を調べました。

当時は医師が話をした後に手術の予約を取る人?程度の感覚でいて、それなのに割と高収入なのはなぜだろう?と思っていました。

HPを調べると大手美容外科が必ずやっているのが「スタッフブログ」。ここを見て、募集要項を確認しながらカウンセラーという仕事を知ることができました。

調べていくと、クリニックにより、「受付」と「カウンセラー」で職種が分かれているクリニックがありました。というのも受付の仕事は、予約した患者様の受付を行うことがメインとなります。

それに対しカウンセラーは医師がカウンセリングした内容を踏まえ、手術の予約を取るだけではなく、カウンセリングを終えた後の不明点、手術を受ける際の注意事項や手術までの流れの説明、必要な検査等の予約案内などがあり、そして手術につなげるための営業的な役割が求められます。

つまり、カウンセラーという職種は施術内容の専門的な知識や営業力が必要とされる仕事ということになります。

多くの中から私が志望したクリニックとは

都内には数多くの美容外科・美容皮膚科が存在します。その中で、勤務地は都内で、営業終了が19時前後のクリニックを中心に選びました。

アパレル販売員時代、店舗の営業時間が長く、帰るのが遅くなり、家に帰ると22時過ぎていることもありました。また勤務場所も店舗の移動等で勤務場所を選ぶことができないため、通勤にかなりの時間を要していました。

大手美容外科では希望の勤務地を認めてくれるところや勤務地固定の条件で募集しているので、勤務地の不安はありませんでした。

また美容外科は19時頃には終わるため、片づけをいれても20時までには帰れるところが多くあり、これによってプライベートも充実することができました。

勤務して知りましたが、早番、遅番というのが美容外科にも存在していました。というのも患者様が、早朝からクリニックに来て手術を受ける場合もあります。ですので、たまに7時に出勤をする場合もありますが、その際には夕方には帰宅できるというメリットもありました。

クリニックによって営業時間はそれぞれですが、美容皮膚科は11時からオープンのところもあり、その場合は終了が20~21時ごろになります。朝はゆっくり出勤したいという方には営業時間が遅めのクリニックも良いかもしれません。

書類選考突破のコツ

履歴書に貼る写真は清潔感を意識すること

履歴書に必要なものといえば自分の写真です。私は必ず写真館で撮ってもらった写真を添付しました。インスタントで撮るものに比べ金額はかかりますが、綺麗に修正をかけてくれることや、清潔感のある写真を撮ることができます。

特に美容外科カウンセラーは美容外科の看板の一つです。清潔感のない雰囲気では患者様にこのクリニックで手術しても大丈夫なの?と思われてしまいます。私は、見た目の清潔感はとても意識しました。

実際入職して、この感覚は正しいことが分かりました。例えばネイルも華美なものや、長さについての規定がありました。その他にも医療現場であることから、髪型も長さがある場合はまとめるなど様々な決まりがあり、当初はとても意識して行動をしていました。

自己PRにはコミュニケーション能力の高さを伝える

カウンセラーには営業職、販売職という前職を持つ方が多いです。カウンセラーは患者様、医師、看護師など様々な人の橋渡し的な立場も兼ねているので、コミュニケーション能力がある程度ないと厳しいです。

そして何よりも術後の患者様の気持ちに寄り添ったフォローが求められます。手術をしたら終わりではなく、術直後のダウンタイム中の不安な気持ちを検診時や電話でアフターフォローします。

実は美容外科では電話が頻繁にかかってきます。検討中や手術後など、患者様からの情報がうまく聞き出せないと何度もやり取りをすることになり、患者様をより不安な気持ちにさせてしまいますので正確な情報を聞き出し、確認する必要があるのです。

私は前職の販売職で培ったコミュニケーション能力について、応募書類に具体的な事例を挙げて記入しました。

書類選考の結果

書類選考は応募したすべてのクリニックで通りました。販売職で学んだことが評価されたこと、年齢が20代半ばで社会人経験も少しは重ねていたことも書類選考が全て通った理由かもしれません。逆にいうと事務職では落ちることが多かったです。

私が入職したクリニックは新卒採用を行っておらず、中途採用枠のみの募集でした。入職すると施術に関する専門的な知識がかなり必要となり、社会人として最低限のスキルを身につけておくことが必要です。

いざ面接へ

面接までの準備

一般企業と異なり社風などがHPに載っていることの方が珍しいと思いますが、どうして志望したのかを自分なりに言えるようにクリニックについて調べることは大切です。

一般常識試験はクリニックにより難易度に差がありました。書籍などで一般常識問題の勉強をしておくと安心して試験を受けることができると思います。

見た目に関して、髪色を暗くしたり、ネイルやアクセサリーを控える等華美にならない様に心がけました。

面接当日の様子、服装

私はスーツで面接に行きましたが、新卒での就職活動の様な雰囲気は避けました。ジャケットの中はシンプルなカットソーなどを合わせて、清潔感を意識した服装を心がけました。

勤務時は制服が用意されており、通勤スタイルは自由でしたので、服装で何かを判断されるということはあまりないとは思いますが、ベーシックなスタイルで行くことが無難でよいと思います。

複数のクリニックを受けましたが、一般常識テストと面接2回というのが多かったです。面接では仕事の簡単な説明と志望動機、転職理由など一般的な内容で終わりました。

大手クリニックと個人クリニックの面接の違いとしては大手のクリニックは1次では当たり障りない内容しか聞かれません。私は新卒採用面接も経験しましたが、新卒試験の面接に職歴を追加したような感じの面接だと思いました。

一方個人クリニックでは面接で突っ込んだ質問や、クリニックの具体的な様子を伝えられて馴染めると思うかといった質問などがあり、面接用に準備した一般的な受け答えとは使えない感じがしました。

面接場所はクリニックではなく運営を行う本部オフィスで行われ、クリニックによっては院長と(クリニック運営会社の)社長二人での面接が最後にある場合があります。院長、社長面接は志望動機など聞かれますが、どちらかというと人となりを判断している印象でした。

というのも勤務している人は女性が圧倒的に多く、男性は医師と運営に数名いる程度です。その中でやっていくことができるのかを判断しているのではないかと思いました。私は前職も女性メインの職場であったため、印象としては良かったのではないかと思います。

内定が出たクリニックとは

2つの内定からの選択

最終的に2つのクリニックから内定をもらいました。1つは全国に展開する大手クリニック、もう1つは個人経営のクリニックで、主要都市に提携クリニックがありました。

とても悩み、個人経営のクリニックに転職することを決めました。
決め手の一つとしては全国に展開する大きなクリニックでは試用期間中は契約社員として、社保に未加入で、自分で年金や保険料を支払わなくてはいけませんでした。一方転職を決めたクリニックは試用期間の間も正社員として雇用としてくれました。そして面接を行う中でそこはスタッフ一人ひとりをしっかり見てくれて評価してくれるのではないかと感じました。

勤めて知ったクリニックの裏側

私はそのクリニックに約4年勤めました。勤務する中で分かったことが沢山ありました。給料があがるまでには施術の勉強を重ねてテストを受けて合格しなければならず、最初の頃は常に仕事中、帰宅後も施術の内容を覚えるのに必死でした。

施術を理解しないと患者様とお話ができず、メールや電話の問い合わせにも答えることができません。

テストを重ねることで患者様と堂々と話すことができるようになりました。カウンセリングを終えた後に気になる点を聞かれた際に何度も離席して確認をするカウンセラーでは患者様に不安を与えてしまうだけです。

施術内容やダウンタイムを細部まで覚えることで自信となり、結果として手術の予約が取れるようになりました。

カウンセラーは手術の予約を取るだけではなく、患者様の声を聞き逃さずに正確に医師や看護師に伝えることが必要であり、また診療時間の予約コントロールなど仕事は多岐にわたってありました。

同じ手術でも患者様の受ける理由や気持ちは一人一人異なります。その気持ちをしっかりと汲み取り伝えることが大切になります。時に厳しい言葉を頂くこともありました。患者様にとっては顔や身体にメスを入れることは大きな決断が必要で、様々な事情を抱えて受けられる方もいます。

その気持ちを丁寧に聞いて、医師や看護師へ伝える必要があり、それによって患者様も安心して手術を受けられるようになります。

美容外科カウンセラーとしての心構え

一般企業とは少し異なるので戸惑うこともあると思います。そして施術を受けた患者様はなかなか引かない腫れに不安になり、時にカウンセラーに「希望と違う!」と電話や来院時に伝えてくることもあります。

ただ予約を取って案内するだけではありません。患者様一人一人を見て手術の案内をして不安な気持ちをくみ取ることが大事です。

上記のようなホスピタリティー精神が美容外科カウンセラーとして一番必要なことだと思います。そしてそれを自分なりに患者様に伝えられることが大切です。

もう一つは見た目の清潔感です。先輩たちは常に身だしなみを整えることを意識していました。常に人に見られる意識を保つのは簡単なようで難しいことです。美容を扱う人としての自覚を持つことが大切だと思います。

そしてカウンセラーとして働いたからこそ分かるカウンセラーとして絶対してはいけないこととは…ずばり、患者様の意見を否定することです。

自分が正しいと思うことがあってもまずは一度飲み込んで理解を示している雰囲気を出すことです。もちろんそれを常にする必要はありません。カウンセラーは患者様と接する職業で、美容外科は美を売るサービス業と医療行為をする場です。

患者様は高い金額を払っているのだから、希望する美を手に入れ、完全に自分の希望通りになると思っている方も少なくありません。

実際に何度も100%希望通りになるわけではないことを伝えても、理解していただくのが難しい場面があります。このような時には、こちらの話を伝えても聞いてくれないのです。どんな理不尽な話になっても、まずは患者様の気持ちをくみ取る聞き方をしないといけません。

私も何度も患者様との会話で経験しています。この時に否定的なことをいうと火に油を注いでしまい、より話がこじれてしまうのです。かなりの忍耐力と適度な受け止めが必要で、それができないカウンセラーは早々に辞めてしまいます。

まとめ

私がカウンセラーとして転職活動を行い、実際に勤めていく中で感じたことを書きました。

特に患者様が不安になりネガティブな対応に遭遇してしまうと最初はかなり引きづってしまいました。何がいけなかったのだろうか? どうしたらよかったのか? 何であんなことまで私は言われてしまったのだろうか…。ずっと悩んでしまいました。

しかし、自分は患者様とドクターを繋ぐ役割で、これは経験だという割り切りが大切になります。あくまでも施術を行ったのは医師なので、医師と患者様で話をしなければ不安な気持ちは完全には解決されないのです。私たちは患者様が何に悩んでいるのかを正確に聞き出し、伝えて来院を促すことが大事なのです。

見た目で採用されているとか受付にいるだけだとか言われることもあります。どの仕事もそうですが、一見華やかに見えて、実際はそんなことはありません。見た目が華やかなのは「美」を取り扱っているので、綺麗に整えることも仕事の一環になります。カウンセラーの仕事は精神力が必要な職業です。常に様々なところにアンテナを張って行動する必要があります。

これから美容外科カウンセラーとして転職を検討している方に参考になれば嬉しく思います。

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こみやま みき
大学卒業後アパレル業界にて販売接客に従事した後に某美容外科の受付カウンセラーとして転職をする。カウンセラーとして培ったスキルと経験を活かし美容外科カウンセラーの内情や施術に関するライターとして活動を行う。