美容ナース採用主任が教える「美容クリニックに就職する方法」。新卒・中途、クリニック種別に徹底解説!

今回は美容ナース歴5年の筆者が「美容クリニックに就職する方法」について解説していきます。

まずは筆者の経歴について簡単に紹介させていただきます。

私は東北地方の出身であり、学生時代はずっと地元で学んでいました。そして看護学生の頃から美容看護師になることを考え始め、新卒で東京都内の大学病院に就職し、数年後に大手の美容クリニックに転職しました。そこからさらに転職し、現在は小規模クリニックにて管理職を勤めており、採用に関わる業務も行っています。

採用される側、採用する側のどちらの視点も経験しているからこそ分かる内容を今回は解説していきますので、現時点で美容業界で働くことを視野に入れている看護学生さんや、一般病院で働きながら美容業界への転職を考えている看護師さんに読んでいただきたいです。

まずは東京の美容クリニックで働きスキルを磨く

未経験から美容業界の看護師を目指すのであれば、まずは東京の美容クリニックで働いてみることをおすすめします。

これを聞くと「地方にも美容クリニックはあるのに、なぜ東京なの?」と感じる方もいるかもしれませんね。

ただ、やはり東京と地方とでは美容クリニックの絶対数が明らかに違います。数が多いということはそれだけ競合(ライバル)が多いということです。競合が多いことでクリニックごとにサービスの質を高めたり、キャンペーン内容を協議したり、新しい施術や機械を頻繁に導入したりしながらクリニックの向上を図ります。

そうすると、そこで働くスタッフのスキルも自ずと上がっていきます。スキルは自分の資産・価値になります。美容看護師としての自分の価値を高めたいと考えるのであれば東京の美容クリニックで働くことを選択することは自然な流れといえるでしょう。

美容クリニックに就職するポイントをパターンごとに解説

美容クリニックに就職するにあたって大きく分けて2つのパターンがあります。1つ目はまず他の病院で勤務した後に中途採用で就職するパターン。そしてもう1つは新卒で美容クリニックに就職するパターンです。そして就職先は大きく分けて美容外科・美容皮膚科・脱毛クリニックの3つに分類されます。この2つのパターンと3種類の就職先でそれぞれ就職の方法が少しずつ異なるので、それぞれについて解説をしていきます。

中途採用で美容業界に就職する方法

それでは中途採用で美容業界に就職する方法からみていきましょう。

美容業界への就職は中途採用が一般的

まず、美容業界への就職は中途採用が一般的となります。理由としては新卒教育を行うシステムを有している美容クリニックはほとんどないのが実情だからです。看護師としての最低限のことは予め他の病院で学んできてねというクリニックが多いです。そのためいざ就職するときに自分の選択肢を広げておくという意味で、まずは一度総合病院等で経験を積むことをおすすめします。

中途で美容外科に転職する際に見られるポイント

それでは中途で美容外科に転職するポイントについて紹介します。

美容外科に就職する場合は臨床経験に基準を設けているクリニックが多いです。1年程度の臨床経験で採用してくれるクリニックもありますが、2〜3年の臨床経験があればほとんどのクリニックで採用される可能性が上がり安心できます。

必要とされる技術としてはルート確保、採血、筋肉注射、皮下注射、モニター管理、バルーンカテーテル留置が主に挙げられます。

私は数年大学病院で勤務してから美容クリニックに転職したのですが、大学病院ではNICU(新生児集中治療室)の配属でした。そのため臨床経験はあるのですが美容クリニックで求められている看護技術の習得ができておらず転職活動の際にかなり苦労しました…。

また、私の友人は成人病棟で働いていましたが、採血やルート確保を研修医がメインでやっている病院だったため同じく看護技術があまり身につかなかったそうです。

将来的に美容クリニックで働くことを視野にいれているのであれば先に述べた技術を身につけることが可能な配属先選び、病院選びをしていくことをおすすめします。

そして美容外科で働くために手術室経験はないとダメですか?と質問を受けることがあります。結論、経験があれば優遇されるけれど、なくても大丈夫です。美容外科の手術は一般的な手術と異なる部分も多いため最低限の清潔操作が理解できていれば採用の時点では問題ないでしょう。

中途で美容皮膚科に転職する際に見られるポイント

続けて中途で美容皮膚科に転職するポイントについて紹介します。美容皮膚科に就職する場合も美容外科と同様に臨床経験に基準を設けているクリニックが多いです。

美容皮膚科では臨床経験が1年以上あれば比較的採用してくれるところが多くなります。必要とされる技術としては点滴、採血、筋肉注射、皮下注射が主に挙げられ、美容外科に比べると少ないです。

しかし、美容外科は医師が手術を行い、看護師はサポートする立場ですが、美容皮膚科は看護師がメインでレーザー照射等に入るため患者さんとの接点が多くなります。

そのため美容外科以上に面接時にコミュニケーション力などの人間性を重視される傾向にあります。

中途で脱毛クリニックに転職する際に見られるポイント

次に中途で脱毛クリニックに転職するポイントについて紹介します。脱毛クリニックの場合はあまり臨床経験や看護技術に基準を設けていないところが多いです。

理由としては美容の領域の中でも脱毛に特化をしているため覚える知識や身に着けるスキルが少なくて済むからです。

そのため習得している看護技術や臨床経験に不安を持っている方も採用されやすい業界になります。しかし脱毛クリニックでは看護師がメインで医師は全体の診察やサポートに入るような仕組みになっているため、美容皮膚科よりもさらに患者さんとの関わりは密になります。

看護師としてのスキル以上に人間性が重要視されるのが脱毛クリニックの特徴といえるでしょう。

新卒採用で美容業界に就職する方法

それではここからは新卒採用で美容業界に就職する方法についてみていきましょう。

新卒で美容業界に就職するのは難しい

まず結論からお伝えすると、新卒で美容外科・美容皮膚科に就職するのは少々難しいです。なぜかというと、先にも述べましたが美容業界においては新卒教育のシステムを有するクリニックが少なく、新卒採用自体を行っていないクリニックがほとんどだからです。

ただゼロではありません。ごく少数ではありますが、大手のクリニックでは新卒採用を行っているところもあります。

就職先の選択肢はかなり少ないですが、大手で経験を重ねることができればスキルの向上ができ、転職の際には即戦力として採用される可能性が高くなります。

新卒でも脱毛クリニックであれば就職しやすい

新卒では採用されにくい美容業界ではありますが、その中でも脱毛クリニックであれば採用される可能性が高いです。

脱毛クリニックで重視されるのは臨床経験や看護スキルではなく、コミュニケーション力などの人間性だからです。

脱毛クリニックは美容分野の中でも脱毛のみに特化しているため、その後に美容外科・美容皮膚科へ転職する際に即戦力とされづらいというデメリットはありますが、学校を卒業したら絶対に美容業界ですぐに働きたい!という強い意思をもっている方であれば脱毛クリニックへの就職を視野に入れてみてもいいかもしれません。

新卒で美容業界に就職する際にアピールするポイント

それでは新卒で美容業界に就職する際にアピールするべきポイントをお伝えしていきます。

新卒時点では臨床経験や看護スキルがゼロの状態なので即戦力としては期待されていません。

しかし、接遇や職場全体の協調性を大切にしているクリニックが多いため接客経験やチームでの成功体験があればアピールポイントになります。

もしもアルバイトなどで接客経験があるのであれば経験がない人に比べ敬語の使い方やお客様への気配りは知らないうちに向上しているものです。私自身面接のときに質問することが多い項目でもあります。

また、仲間と協力して成功体験を得た経験があれば、このクリニックでもスタッフ同士で力を合わせて頑張ってくれるかもしれないと採用時に優位に働くことでしょう。

そしてなぜあえて新卒で美容業界を選んだのか、その強い気持ちをアピールできるように準備しておくといいですね。

新卒採用で美容クリニックに就職する場合の注意点

新卒採用で美容クリニックに就職する場合の注意点についてもお伝えしていきます。

それは美容クリニックでの経験は看護師としての臨床経験にはカウントされづらいということです。理由としては美容クリニックで獲得できるスキルというのは一般の総合病院やクリニックとかなり異なり、応用が効かない部分が多いからです。

例えば総合病院で1年勤務した後に美容クリニックで3年勤務したという職歴の方がいたとします。美容業界では臨床経験4年とみてもらえる一方で、一般病院では臨床経験1年とみなされることが多いです。

新卒で美容クリニックに就職するということは今後美容業界のみでしか評価してもらえない可能性が高くなるということなのです。

私は美容看護師のスペシャリストになりたい!という強い気持ちがあればいいですが、とりあえず美容業界に新卒で就職してみようというのは今後のキャリア選択肢を狭くしてしまうため、あまりおすすめはできません。

新卒で美容業界に就職することはデメリットもあるということを理解しておきましょう。

実際に採用担当者は何をみているのか

それではこここからは実際に採用担当者は何をみて採用するかしないかを判断しているかをご紹介していきましょう。

採用担当者がみているポイントは4つある

それでは採用担当者は何を見て採用するかしないかを判断しているのでしょうか。見ているポイントとして主に①臨床経験②習得している看護技術③肌の綺麗さ・清潔感④コミュニケーション力の4つが挙げられます。一つずつ詳しく見ていきましょう。

①臨床経験

美容看護師の業務内容は一般的な看護師の業務内容と異なる部分が多いですが、看護師としての観察能力や分析能力など共通する部分はいくつもあります。それらは机に向かって勉強するだけで身につくのではなく、実際に現場にいたからこそ培われる能力であるため、臨床経験がしっかりとあることは大きなアピールポイントになります。

②習得している看護技術

ほとんどの美容クリニックでは美容点滴や美容注射がメニューとして置いてあります。美容の知識が全くない場合でも、点滴や注射の技術があれば入職初日から患者さんの対応に行ってもらえる=即戦力となる人材と判断してもらえます。基本的な看護技術が習得済みであることも大きなアピールポイントになります。

③肌の綺麗さ・清潔感

よく「美容看護師は外見がよくないと採用されないんでしょ?」と言われますが、これは半分間違いで半分正解です。

正直容姿が整っているかどうかはさほど重要視されません。ですが、肌が綺麗かどうかは採用基準に関わります。なぜかというと、肌が綺麗な方が患者さんへの説得力が増すからです

特に美容皮膚科は肌に悩みを抱えている患者さんが多く来院されます。肌荒れが目立つ看護師に「この治療は肌がきれいになるのでおすすめです」と紹介されても少々説得力に欠けますよね。私が以前勤めていたクリニックでは「肌荒れがある看護師には治療されたくないから担当を変えて欲しい」と話されている患者さんもいたくらいです。

厳しいようですが美容看護師は患者さんから見られる存在です。患者さんが安心して施術を任せたくなるように外見にも気を遣うことは必須項目と言えるでしょう。

④コミュニケーション力

面接時にはコミュニケーション力の有無もよく見ています。

美容クリニックは保険診療ではなく自由診療にあたるため接遇が非常に大切になります。

来院された患者さんが心地の良い時間を過ごすことができるように医療サービスや会話を提供するため面接の際に暗い印象を与える人は採用しづらくなります。

また、暗い印象を与えなくとも自分の話ばかりをガツガツとしている方については患者さんの悩みをしっかりと汲み取ってくれるかな?と感じてしまうため、この場合も採用しづらくなってしまいます。

自分がもし美容クリニックに行ったときにどんなスタッフに担当して欲しいかを想像してみましょう。明るい人、受け答えに自信を持っていてハキハキとしている人、笑顔が素敵な人、など色々と出てくるかと思います。その理想像を自分に重ね合わせながら面接に臨んでみると採用確率は自ずと高くなってくることでしょう。

分からないことがあれば転職サポートを利用するのもおすすめ

ここまで東京の美容クリニックに就職する方法についてお伝えしてきました。文章を読んでみて就職するためのポイントは分かったけれど、分からないこと、不安なことが多すぎて手が付けられない…という方は転職サポートを利用するのもおすすめです。

美容クリニックへの就職を考えるにあたって、クリニックごとの特徴は分からないし、自分のスキルがどこなら評価してもらえるか分からないし、もしも現時点で地方在住の方は東京の土地勘もないし、と分からないことだらけですよね。

転職サポートを利用すれば分からないことを解決してくれるのはもちろん、あなたの今とこれからを見据えたクリニック探しに協力してくれるので、不安を最小限にしながら美容看護師としてのいいスタートを切れることでしょう。

自分がどんな美容看護師になりたいのか明確にするのが大切

 

美容クリニックでの就職を考える上で大切なのは自分はどんな美容看護師になりたいのか、どんなクリニックで働きたいのかを明確にすることです。

そうすると自ずと自分の美容看護師としてのキャリア形成に必要な道筋は見えてきます。

知らない世界に飛び込むのには不安が伴いますが、この記事を参考に一人でも多くの人が地方から東京に出て美容看護師としての一歩を踏み出してくれればと思います。

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つーさん
岩手県出身。アラサー。学生時代は地元で過ごし、新卒で都内の大学病院に勤め看護師生活をスタート。美容ナース歴は5年目。