現役美容ナースがこっそり教える美容クリニック求人の正しい見方!

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今回は「現役ナースがこっそり教える美容クリニック求人の正しい見方」について解説していきたいと思います。

まずは簡単に筆者について自己紹介させていただきます。

筆者は現在美容ナースとして働き始めて5年目になります。大手の美容クリニック、小規模のクリニック、脱毛専門クリニックなどさまざまな職場を経験してきました。

初めて美容業界への転職を検討したときには求人の正しい見方など全くわかっておらず、「あれ? なんか思っていた部分と違うところがあるな」と感じながら働くこともありました。この業界で働いていく中で改めて求人情報をみてみると、注目して見るべきポイントや、もし面接にいったらここは詳しく聞いた方がいいなと感じるポイントなどがわかるようになってきました。

初めて美容業界への転職を考えている方や、転職経験があまりない方の中には「何をみて判断すればいのか分からない!」という方も多くいらっしゃるかと思います。

求人の見方のポイントを抑えて優位に転職活動を進めていきたいと考えている方は、是非今回の記事を読んでみて自分に合ったクリニック選びの参考にしていただければと思います。

求人情報をポイントごとに解説

それではここからは求人情報の注意して見ていくべき点をポイントごとに解説していきます。

今回解説していくポイントは

  • ①年間休日数
  • ②有給消化率
  • ③シフト
  • ④勤務時間
  • ⑤休憩時間
  • ⑥給料

以上6項目に分けて説明していきます。

年間休日数について

まずは年間休日数についてみていきましょう。

美容ナースとして働いている方、もしくは働くことを検討している方の中にはプライベートと仕事のメリハリをつけて楽しみたいという方々も多くいるかと思います。

その際に重要となってくるのが年間休日数です。

年間休日とは有給休暇や忌引きなどの特別休暇を含まない休日のことをいいます。

年間休日数に関しては企業側は従業員に対して最低でも1週間で1日、もしくは4週間のうち4日の休日を与えるよう労働基準法で定められています。

そして同じく労働基準法では1日の労働時間は8時間まで、1週間の労働時間は40時間までと定められています。

1年間は365(日)÷7(日)=52週間あります。

労働時間は1週間あたり40時間までなので40(時間)×52(週間)=2080時間が1年間の総労働時間数となります。

1日あたりの労働時間は8時間までなので2080(時間)÷8(時間)=260日間が1年間のうち働く日数となります。

よって最低限確保される年間休日数は365(日)ー260(日)=105日ということになります。

美容クリニックの求人をみてみると少ないところで年間110日、多いところだと130日、平均すると120日程度のようです。

ただし、求人情報には年間休日数の記載がなく、「週休2日制」、「完全週休2日制」とだけ書かれていることもあります。

この2つの言葉は似ていますが意味合いが変わってくるので注意が必要です。

「週休2日制」とは、1ヶ月間で週2日の休みがある週が1回以上あることをいいます。そのため毎週必ず2日休みがあるというわけではありません。

それに対し「完全週休2日制」とは、毎週必ず2日間の休みがあることをいいます。

これをもとに考えると「週休2日制」のクリニックは年間休日数が110日程度、「完全週休2日制」のクリニックは年間休日数が120日〜130日程度となるクリニックが多いです。

ここで一つ注意すべき求人情報例をご紹介します。

以前求人で「年120日休み」と大きく書いていたにもかかわらず、求人の詳細を見てみると、そこは「週休2日制」のクリニックでした。計算が合わないなと思い、そのクリニックで勤めている知人に話を伺ってみると、実は有給休暇の日数も含めて「年120日休み」と掲載しているようでした。このようなケースは非常に稀ですが、このような掲載のされ方もあるということを頭に入れておいて損はないでしょう。

有給消化率について

続けて有給消化率についてみていきましょう。

有給消化率については求人情報内に「昨年は全スタッフ100%取得しました!」と掲載しているクリニックもありますが、内情がわからない場合がほとんどです。

実際に働いてみないとわからないことも多い部分ではありますが、今回は比較的有給を取りやすいクリニックはどんなクリニックなのかポイントを挙げていきます。

まず一つ目に大手のクリニックであることが挙げられます。

大手の場合はスタッフ数にゆとりがあることが多いです。また、全国にたくさんの従業員がいるため福利厚生の制度も整っています。そのため「有給はお互いに取り合うもの」という意識が根付いており、希望があればすんなりと通ることが多いです。求人に「最大14連休取得可能」などと書いているのもほとんどが大手のクリニックです。

大手のクリニックは年間休日数が少なめのところが多いですが、有給と組み合わせてまとまった休みを取得しやすいので「海外旅行にいくのが趣味でまとまった休みも取りやすい環境で働きたい」というような希望を持っている方にはおすすめです。

そして二つ目に休診日を設けていないクリニックであることが挙げられます。

休診日がないクリニックの場合、スタッフはシフト制で働くことになります。

休みの曜日が固定になっているわけではないので、誰かが休む場合は他のスタッフで人員を確保するという仕組みが作りやすいのが特徴です。

それに対して特定の曜日が休診日となっているクリニックでは誰かが有給を取ると自ずとその日のスタッフ数が減ってしまいます。休診日が決まっている場合、その他の曜日は全スタッフが出勤することが前提となっているため、「有給を取ったら他のスタッフに負担がかかってしまうかもしれない」と感じ、シフト制で働くクリニックと比較するとやや有給が取りにくい雰囲気ではあります。特に小規模クリニックの場合はスタッフ数にゆとりがないことも多いため、よりその傾向を感じやすくなります。

しかしスタッフ同士協力し合って有給取得を促進している小規模クリニックもたくさん存在するので、気になる場合は面接のときなどに有給の取得状況を予め確認しておくようにしましょう。

シフトについて

続けてシフトについてみていきましょう。

この項目に関しては特定の曜日に休診日を設けておらず、基本的に毎日診療を行っているクリニックの場合に関係してきます。

毎日診療を行っているクリニックのスタッフも当然休みはありますので、シフト制で勤務を組んでいきます。シフトを作成する前に予めその月の公休数が伝えられ、休み希望があれば申し出をするようになっています。休み希望に関しては月に何日間まで申請できるか上限が決まっているところが多いです。

そして美容クリニックは土日祝日に来院数が多くなるので、土日祝日のときに休みを取るのは何回までとさらに条件がついてくることもあります。

公休数はその月が繁忙期かどうかで変動します。

例えば脱毛クリニックであれば肌の露出が増える夏場には来院数が増え、反対に冬場は少なくなります。そのため夏場は公休数が月に8日、冬場は10日というように調整されていることが多いです。

美容外科、美容皮膚科であればゴールデンウィーク、お盆、年末年始の期間が繁忙期にあたるので5月、8月、12月、1月の公休数は少なく、その前後の月の公休数が多くなる傾向にあります。

繁忙期は休みの希望を制限するされることもよくあるので、休みが取りにくい時期があるということを予め認識しておきましょう。

勤務時間について

続けて勤務時間についてみていきましょう。

勤務時間で注意するべきポイントは2つあります。

一つ目は早番、遅番のシフト制で勤務する場合のシフトの割合がどうなっているかです。

例えばクリニックの診療時間が10時〜20時でスタッフの実働時間が8時間で設定されている場合に、早番が10時〜19時までの勤務、遅番が11時〜20時までの勤務と設定されていることがあります。

このとき早番と遅番の割合がどの程度なのか確認しておくといいでしょう。割合が半々のクリニックもあれば、早番か遅番のどちらかに偏っているクリニックもあります。勤務時間が30分〜1時間程度変わるのは大したことではないように感じますが、日々の積み重ねとなると意外と負担に感じてくる方も多いものです。

二つ目は勤務時間の前後にミーティングや掃除などの業務を行っているかということです。

例えば勤務時間は10時〜19時までと定められていながら、毎朝9時50分から朝礼を行っているというクリニックもあります。その場合は予め固定残業代をつけているクリニックが多いので給料面で損をしているということはありませんが、「思っていた勤務時間と少し違かった」ということがないようにこちらも予め確認を取っておくとよいでしょう。

休憩時間について

続けて休憩についてみていきましょう。

求人情報には「休憩1時間」とだけ掲載されていることが多いですが、その取り方はクリニックにより様々です。

まずは予め休憩時間が決まっている場合です。「休憩時間は13時から14時まで」などとクリニックで設定されており、全スタッフが一斉に休憩を取ります。予め休憩が取れる時間を把握でき、まとまった時間が確保されているので休憩を落ち着いて取れるというメリットがあります。

続けて予め休憩時間は決まっておらず、スタッフごとにずらして休憩を取る場合です。

診療時間が午前と午後に分かれておらず、1日を通して診療を行っているクリニックはこの場合が多いです。まとまった休憩時間を取ることができますが、その日により休憩時間がまちまちになるので体への負担を感じる方もいるかもしれません。

そして一番きついのが休憩時間をまとまって取れず、「合計1時間」になるように細かく休憩を取る場合です。

このケースについては筆者の経験談をもとにお伝えします。

求人情報には「休憩1時間」と掲載されていたのですが、面接時に面接官から「うちは忙しいから休憩時間をまとめて取れないこともあるけれど大丈夫?」と聞かれました。休憩を2回くらいに分けて取るときもあるということかな?と解釈した筆者は「大丈夫です」と返答し、勤務することになりました。

結果としてそのクリニックは予約と予約の間に休憩を取るというシステムだったため「30分、15分、5分、10分」と4回に分けて休憩を取る日もあれば、予約のキャンセルが出てまとめて「1時間」休憩を取る日もあるなど、そのときになってみないと休憩時間がどうなるかわからないという状態でした。正直このケースに関しては落ち着いて休憩を取ることができないなと実感しました。

求人情報からだけでは読み取れない部分になるので、心配な方は面接の際に「休憩時間はいつ取るか決まっているのですか?」と軽く確認しておくことをおすすめします。

給料について

最後に給料についてみていきましょう。

美容クリニックの求人情報を見てみると「○○万円〜△△万円」というように給料の幅が大きく書かれているクリニックをよく目にします。

これは売上目標を達成すると達成金をプラスで支給するクリニックが多いためです。達成金の金額はクリニックにより異なりますが、掲載されている給料の幅が大きいところは達成金も多く出している印象です。

しかしもちろんクリニック側もできる限りいい給料条件のように見せたいので、最大支給額は主任レベルの方がもらっている金額が掲載されていることが多く、入職してすぐにはその金額をもらえるようにはなりません。数年間継続的に働いて十分な実力があると周りから評価された場合にもらえる金額だと認識しましょう。

また売上は変動していくため、ずっと好調な状態が続くわけではありません。売上が不調な場合には達成金、賞与などはカットされる場合もあります。

そのためあまり過度に期待しすぎないようにしましょう。

給料に関する部分は面接時には聞きづらい項目かと思いますが、「昇給や賞与は年何回が基本となっていますか?」等最低限のことは確認しておいてもいいでしょう。

求人の正しい見方を知って、自分に合ったクリニックを見つけ出そう!

いかがでしたか?

ここまで美容ナースの求人の正しい見方について解説してきました。

求人をみるときに「給料」「勤務地」「勤務時間」についてほとんどの方が目を通すかと思いますが、注目すべき項目、深堀すべき項目はたくさんあります。

詳細を確認できていなかったばかりに「思っていた働き方と違かった…。辞めたい…」と感じてしまうことも少なくありません。

転職活動は自分がクリニック側に「選んでもらう」立場ではありますが、たくさんのクリニックの中から自分らしく働けるクリニックを「選ぶ」立場でもあります。

美容ナースとして今後楽しく働ける職場に出会えるように、今回の求人の正しい見方を参考にして、正しい情報を取捨選択しながら転職活動をしていきましょう。

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つーさん
岩手県出身。アラサー。学生時代は地元で過ごし、新卒で都内の大学病院に勤め看護師生活をスタート。美容ナース歴は5年目。