美容クリニックの医師、ナース、カウンセラーに課されるノルマの内容とノルマ設定のメリット、デメリット

clinic_counselor_quota

美容クリニックカウンセラーへ転職を検討している方で、仕事内容について調べていると、手術相談に来院した患者様へのクロージング対応がメインの仕事だということが分かると思います。

そこで皆さんはカウンセラー職=営業のイメージを抱きませんか? 営業はノルマがあったり、人間関係がギスギスするのではないか? 女性が多く活躍する職場だからこそ気になることですよね。

今回は美容クリニックカウンセラーの売上ノルマについて、元美容外科カウンセラー経験者があまり表にでないことなどをお話をいたします。

美容カウンセラーのノルマの内容は?

美容クリニックカウンセラーのノルマとは一体どのようなものなのか? 

求人情報をみると「ノルマ一切なし」「インセンティブあり」という文字をみると思います。個人ノルマはないけどインセンティブがあるというのはどういうことなのかと疑問を感じると思います。

美容クリニックカウンセラーのノルマは予約件数、予約金額が多く、特に美容皮膚科、医療脱毛クリニックではノルマを設けていることが多い印象にあります。

私が勤めた美容外科では「個人ノルマ」は設定されていませんでした。というのも美容外科では個人ノルマを設定をすることは非常に線引きが難しいのです。施術内容も様々であることや、患者様の手術日は決して直近だけではなく長くて1年先の施術検討でカウンセリングで来院する患者様も多いです。

そして、予約を取ってもキャンセルになることも珍しいことではありません。その中で個人ノルマを設けるのは管理が難しくなります。

一方美容皮膚科や医療脱毛では施術内容がある程度絞られること、施術日が確定しやすい、一度のカウンセリングで支払いまでのクロージングができますので、クリニックとしても個人ノルマを管理しやすいこと、カウンセラーの士気を高めるためにも個人ノルマを設定していることが多い印象です。

ただ最近は個人ノルマを設けるよりも「インセンティブ」を設けているクリニックが非常に多いです。インセンティブはクリニック全体の月売上目標を設定し、スタッフ一丸となり目標を達成するために努力をすることで、売上目標を達成することで「インセティブ」としてスタッフの給料にプラスをすることが多いです。

個人ノルマを設定する場合、スタッフ間で売上に関する軋轢が生じることがとても多くなります。ですがクリニック全体の売上ノルマを設定してスタッフ全体にインセンティブで還元することでクリニック内の人間関係のトラブルは格段になくなるためそちらに移行することが多いのではないでしょうか。

ナースや医師にもノルマは存在するのか?

カウンセラーに課せられるノルマとは異なり医師や看護師にもノルマが存在することがあります。ですが個人ノルマを求人情報に明記されていることは少ない印象です。仮にノルマがある場合はどのような内容なのかをお伝えします。

看護師のノルマとして存在するのが施術後に使用する美容化粧品などの物品の販売で、ノルマを設定されていることがほとんどです。なので、主に美容皮膚科や脱毛クリニックで働く看護師に設定されます。施術中に患者様とお話をする機会が多いのでその際に商品の営業トークをすることができます。

一方美容外科の看護師にはノルマを設定されていることは非常に少ないです。美容外科の看護師はオペ室、術後のケアが業務のメインになりますのでノルマを課せられることは非常に少ないです。

一方医師のノルマについてはクリニックの方針により異なりますが、クリニックがウリにする施術内容を積極的に患者様へ勧めないといけない場合があります。

私が勤めたクリニックでは医師へのノルマは一切存在していませんでした。ですが、医師がカウンセリングに入りどのような適応施術を出したのか、そして予約を取ったかの管理をカウンセラーが行っていました。

美容外科の医師にはノルマを設定されていることは少ないようですが、美容皮膚科では医師にもノルマを課せられることがあるそうです。美容皮膚科では「シワ」に対応する美容機器、注入、化粧品など様々なアプローチを出すことができます。この中で医師にノルマを設定されていることが多いです。

結局ノルマはあったほうがいい? 

ノルマがある方がいいのか?それともないほうがいいのか?という考えは美容クリニック以外の営業的な仕事にもいえることだと思いますが、美容クリニックでのノルマを設定することは非常に難しいと思います。例えば「シミ」について相談に来院したとします。

患者様の状態を診た時に金額の安いA機器でも希望に沿うことができるとしても、クリニックがメインで売り出している金額の高いB機器でも希望に沿えるとなった時にノルマを設定しているクリニックであれば誰もがB機器での施術を強く勧めると思います。

美容医療は自由診療ですので保険医療とは異なりますが、ノルマが強度に設定されていることで患者様にとって最善の提案がされているのかどうかはグレーになってしまうこともあると思います。

個人ノルマを設定することで、一人ひとりが売上に対して積極的に考えるようになり、クリニックに利益をもたらす状態を生み出しやすいと思います。ですがそれに対するクリニック内の人間関係はつねに緊張状態が続き、全員がライバルという状態に陥りやすくなるため退職者も増える可能性があります。

その中で多くのクリニックが取り入れるのがクリニック全体の月の売上ノルマだと思います。

これだとスタッフ一丸でノルマをクリアしていこうという状態になるため、クリニック内の人間関係の悪化は免れます。そして売上に対する個人のストレスはありませんので一人がプレッシャーを感じることは少ないです。

まとめ

カウンセラーは大まかにいうと営業職ですので、ノルマは基本的には存在します。ですがカウンセラー個人に課せられるのか、カウンセラー全体で課せられるのか、クリニック全体なのかはクリニックにより異なります。

会社としては売上を出して利益をだすために個人ノルマを設けてやる気を出させるということは非常に重要になります。

ですが私の経験では個人ノルマがある仕事場ではスタッフ間の売上に対する意識が非常に敏感になります。そのため個人売上で人間関係に大きな亀裂を生む瞬間を何度も目の前でみてきました。

もし個人ノルマを設けているクリニックに就職をする場合はスタッフ間の関係は割り切りが重要です。そして誰よりも施術に対する知識、患者様との接し方を学び、売上に繋がる努力が常に必要になります。自分の性格をよく考え、どのような条件が自分には合っているのかをしっかりと理解した上で転職活動をすることをおすすめします。

自分の性格や仕事に対する姿勢を踏まえてどのようなクリニックに転職をするかを検討すると良いと思います。「ノルマ」の存在はクリニックにとって、スタッフの士気を高めるために重要なものになります。

ですが、ノルマにとらわ過ぎるとスタッフ同士の人間関係に影響を及ぼし、結果自分が仕事をしづらい環境になってしまう可能性もありますので、自分自身の性格をよく考えた上で転職先を選ぶことをお勧めします。

komi_cover
こみやま みき
大学卒業後アパレル業界にて販売接客に従事した後に某美容外科の受付カウンセラーとして転職をする。カウンセラーとして培ったスキルと経験を活かし美容外科カウンセラーの内情や施術に関するライターとして活動を行う。