長く美容ナースをしてからの、一般科への転職が不利になるって本当? 元美容ナースがズバリ答えます!

美容クリニックに転職したいけど「長く美容ナースをしていると転職の際不利になってしまう」という話を聞き、心配になっている人もいるのではないでしょうか。

「若いうちは美容クリニックで勤務して、年齢を重ねてから病棟ナースに戻りたい」と考える人もいるでしょう。

この記事では、美容クリニックで長く勤務していると本当に転職が不利なのかどうか徹底解説しています。

「美容クリニックで働きたいけど今後の就職が不安」という人はぜひ参考にしてみてくださいね。

長く美容ナースをしていると転職が不利だと言われる理由

なぜ長く美容ナースをしていると転職が不利だと言われるのでしょうか。その理由を3つ上げてみました。

看護の知識や技術不足

1番に挙げられるのは、一般の病棟やクリニックで病気の患者さんを対応する際の知識や技術が不安な面ではないでしょうか。

美容ナースが長いと、美容看護の知識は広がりますが、疾患に対する知識や看護技術がどうしても衰えてしまいます。

一般の病棟やクリニックでは必須の看護の知識や技術も、美容クリニックでは使わない場合も多いです。そのためブランクのような扱いとなってしまうこともあるでしょう。

コミュニケーションをとる対象の違い

美容クリニックと一般の病棟やクリニックではコミュニケーションをとる相手が大きく違います。

美容クリニックでは健康な人を対象にお客さんのような扱いでコミュニケーションをとることも多いですが、病棟では疾患を持つ患者さんを対応しなくてはなりません。

また、美容クリニックで対応する患者さんは比較的若い年齢の人が多いですが、病棟ではほとんどの患者さんが高齢者です。

そのため、高齢者に対応するコミュニケーション能力や疾患を持つ患者さんへの配慮が必須となります。

美容クリニックでの勤務が長いと、高齢者との関わりや疾患を持つ人への対応に戸惑ってしまう可能性はあります。

生活リズム

美容クリニックと病棟では勤務時間が違います。そのため生活リズムも変わってくるでしょう。

美容クリニックでの勤務は、出社時間が10時や11時と比較的朝は遅く、夜も遅く勤務しているところが多いです。また、美容クリニックでは夜勤はありません。

一般の病棟やクリニックでは朝の勤務が8時から9時の間にあるところが多いでしょう。病棟では夜勤もあります。

そのため、急に朝早く起きることや夜勤のある生活がキツく感じる可能性があるでしょう。

実際のところ本当に転職が不利になるのか

長く美容ナースをしていると不利だと言われる理由はなんとなく理解できると思いますが、実際のところ本当に転職が難しくなってしまうのでしょうか。

看護師は人手不足なので、一般科に戻れないという訳ではない

長く美容ナースをすると一般の病棟やクリニックでもう就職ができないのかと言うとそんなことはありません。看護師は人手不足の病院が多いので採用してくれるところもたくさんあるでしょう。

ただ、採用されてから一般病棟やクリニックでの必要な知識や技術、コミュニケーション能力を再び取り戻すための勉強は必要となります。

そのため、採用されるかどうかより再び一般病棟やクリニックで働くための努力を自分ができるかどうかが鍵となってくるでしょう。

再び勉強し直したいと考える人は、教育体制の整った病院を探すのがおすすめです。面接で不安な気持ちをあらかじめしっかり伝えておきましょう。エージェントを利用し、教育体制が整った病院を紹介してもらうのも良いかもしれません。

また「美容看護師ではベテラン扱いだったのに一般病院に戻ってから新人扱い」「自分より年下の看護師の方がずっと仕事ができる」など精神的に辛い状況が起こる可能性もあります。

病棟などでは尿や便、吐物や唾液に触れることも看護を行う上で日常茶飯事ですが、美容ナースが長いとキツく感じてしまう可能性もあります。

実際に美容ナースが長い友人が一般科に戻った際には「一般病棟で年下の看護師に指導されるのが辛い」「美容クリニックが長いと高齢者のおむつ交換に抵抗を感じるようになってしまった」とすぐに辞めて再び美容ナースに戻りました。

上記のような状況も覚悟した上で「再び本気で一般病棟やクリニックに戻りたい」という強い気持ちがあれば、十分一般科での復帰も可能だと言えるでしょう。

別の美容クリニックに転職したい場合は未経験より断然有利

勤務している美容クリニックを辞めて別の美容クリニックで働きたい場合は、美容ナース未経験の人より断然有利に転職できます。

美容クリニックは大手でない限り、教育体制が整っておらず経験者を募集しているところも多いです。美容ナースの経験があれば、美容クリニックでの患者さんへの対応も慣れているので未経験の人より優遇されやすいでしょう。

経験をアピールし上手く交渉すれば、前職より給料アップも期待できます。未経験の時より選択の幅が増えるので、より自分が希望する条件に近い職場で働くことも可能です。

美容クリニックは看護師の中では仕事内容が特殊な世界。美容クリニックへ転職する場合は、長く美容ナースをしていた方が転職に有利であると言えるでしょう。

転職に不利というより改めて勉強する覚悟が必要

美容ナースと一般科の病棟やクリニックで働くナースでは、必要な知識や技術・コミニュケーションの取り方・生活リズムが違います。

長く美容ナースとして働いていると、その違いが転職の際にブランクのようになってしまう可能性はあるでしょう。

しかし、転職ができないかと言うとそうではありません。「もう一度病気の患者さんの看護がしたい」という気持ちが強く、努力していく姿勢があれば、また一般科に戻ることも難しくはないでしょう。

他の美容クリニックへ転職する際は、美容ナースとして長い経験があることは有利に働く可能性が高いです。美容クリニック未経験の人より転職しやすいと言えます。

長く美容ナースをしていると転職に不利かどうかは自分次第。しっかり勉強していく覚悟や熱意があれば、転職できないという訳では決してありません。

writer_shiraishi
白石千乃
子育て中に看護師として美容皮膚科で勤務し、脱毛やAGA、アンチエイジング、レーザー治療などを経験。専門知識を活かして、美容・医療をメインにライター活動中。特に脱毛系記事が得意分野で、月に数十件執筆している。