美容外科未経験ナース必見!人気の二重整形手術について現場看護師目線で詳細解説![まぶたの知識、二重、目もとの手術編]

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今回は美容外科の中でも人気の高い二重整形手術に焦点を当ててお話しをしていきたいと思います。

美容整形と聞いてまず最初に思い浮かぶのは二重整形という方は多いのではないのでしょうか。

実際に初めての美容整形手術で行う箇所としては目が一番多く、大手の美容クリニックですと1日に20件以上もの二重整形が行われています。

そして二重整形手術は受ける方々の年齢層も幅広く、筆者が出会った中で最年少はなんと8歳!最年長で70歳代の方でした。

そのくらい人気の高い施術のため、美容外科に入職して最初に覚えるのは二重手術の介助であることが非常に多いです。

そこで今回は美容看護師として5年働いてきた筆者が二重整形手術に関する知識を2回に分けてお伝えしていきます。まず第1回目の今回は二重に関する知識を中心にお伝えします。そして第2回目には二重に関する知識の他に、美容外科ナースとして必要なサポートについてお伝えしていきます。これから美容外科への転職を考えている方や、美容外科に入職したばかりで知識面で不安を感じている方は是非参考にしてみてください。

二重整形の前知識 上まぶたの形の種類を理解しよう

まずは二重整形の話に移る前に上まぶたの形の種類についてきちんと理解しておきましょう。

上まぶたの形は大きく分けて4種類に分類され、①一重、②奥二重、③末広型二重、④平行型二重になります。

一重まぶたに関しては説明しなくてもお分かりかとは思いますが上まぶたの部分に横にラインが入っていないまぶたの形のことを言います。日本人の約40%がこの一重まぶたと言われています。

よく一重まぶたの方からは「自分では目を開けているつもりなのに眠たそうに見えると言われる」「目つきが悪いと言われる」といった悩みを聞きます。それは一体なぜなのでしょうか?

目を開けるときには上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)というところが収縮します。上眼瞼挙筋は途中から挙筋腱膜(きょきんけんまく)という薄い膜状となるのですが、二重まぶたの人はまぶたの皮膚に挙筋腱膜の一部がくっついている状態になっています。すると目を開くとこのくっついている部分の皮膚が引き込まれ、折り畳まれることで二重まぶたに見えています。

一重まぶたの場合は挙筋腱膜の一部がくっついていない状態なので、目を開けても皮膚を引きこむ構造になっていないのです。

まぶたを折りたたむことができないということは、二重まぶたの人と比べるとその分の皮膚が目の上側にかぶさって見えるため、「眠く見える」「目つきが悪く見える」というように言われやすくなるのです。

続けて奥二重についてです。奥二重は構造上は二重まぶたですが、一重まぶたのように見える形のことを言います。なぜ一重まぶたのように見えてしまうかというと、一つは二重のラインの幅が狭かったり食い込みが浅かったりすることが原因です。また皮膚の厚みやたるみ、まぶたの脂肪により二重ラインがみえにくくなってしまうということもあります。

一重まぶたと比較すると奥二重まぶたの方がすっきりとした印象はありますが、「重たい雰囲気に見える」「化粧がしづらい」という悩みを持たれる方が多いです。

二重まぶたは奥二重、末広型二重、平行型二重の3種類ですが、一般的にみなさんが想像する二重というのは末広型二重、平行型二重になります。

末広型二重は目頭から目尻にかけて二重ラインの幅が徐々に広がっていく形のことをいい、それに対し平行型二重は目頭から目尻にかけてのライン幅がほとんど変わらない形のことをいいます。

なぜこのような違いが出るかというと目頭部分にある蒙古襞(もうこひだ)が関係しています。蒙古襞は目頭のピンク色の部分を覆っている皮膚のことで、この蒙古襞の中に二重ラインが収まっている場合、目尻にかけてライン幅が広がっていくように見えるので末広型二重になります。

蒙古襞は東洋人特有のもので、日本人だと二重まぶたのうち80%ほどが末広型二重であるといわれています。そのため日本人に合う二重の形とされており、可愛らしく自然な雰囲気が出ます。

そして蒙古襞がない、もしくは小さい場合には平行型二重になります。欧米人で末広型二重を見ないのはこの蒙古襞がないからというわけです。蒙古襞がないことにより目頭側の白目の露出部分が増え目が大きく見え、化粧映えしやすく華やかな印象を与える目の形と言えます。

二重整形手術をするにあたっては自然にクールな感じに見せたいという男性には奥二重が人気であり、明るい印象にしたいという方々は末広型か平行型二重を選択することが多い傾向にあります。

以上がそれぞれのまぶたの形の特徴となります。

理想の二重の作り方 二重整形手術の術式について解説

まぶたの形について理解したところで、ここからは二重整形手術の術式について詳しく解説していきたいと思います。

二重整形手術は二重埋没法と二重切開法の2つの術式があります。

まずは二重埋没法についてです。

埋没法は上まぶたに医療用の特殊な糸を通し、数箇所縫うことで二重ラインを作る方法です。糸を留めることにより目を開けた時にその部分の皮膚が食い込まれ二重ラインができます。

埋没法はメスで切開することなく二重を作ることができるので手術後のダウンタイムが切開法と比べて短いです。そして埋め込んだ糸を取ってしまえば元の二重に戻るため、もしも形を戻したいといった場合にも対応可能です。このような理由から初めての二重整形は気軽に受けやすい二重埋没法を選択する方が多いです。

ですが良いことばかりではありません。埋め込んだ糸は時間の経過とともに強度が落ち、緩んだり切れたりします。そうすると二重のラインの食い込みが弱くなったり、三重になったり、最悪の場合は元の形に戻ってしまします。いつそのような状態になるかは執刀した医師にも予測はできないため「いつ元の目に戻ってしまうんだろう…」と患者さんは不安を抱えながら過ごすことになります。また、瞼の皮膚が厚い方や脂肪の量が多い方、極端に幅の広い二重幅を希望される方などは埋没法ではうまく形を作ることができない場合もあり、手術の適応が切開法より狭くなります。

そして意外と知られてないのですが、目への負担は切開法よりも埋没法の方が遥かに大きいです。埋没法は特殊な糸を瞼板(けんばん)や挙筋(きょきん)にかけて留めますが、そうすることで多かれ少なかれ眼球が触れる目の内側の粘膜がでこぼこします(介助についている看護師からでも分かるレベルです)。

人は目を閉じると自然と黒目が上に移動するようになっているのですが、まばたきをするたびに黒目とでこぼこした粘膜が擦れて黒目に傷がついてしまうリスクがあるのです。「もしも糸が取れたらまた埋没法をすればいいや」と考える方もいるのですが、埋没法は多くても3回までとする医師も多く、それだけ目への負担がかかる術式だということを理解しておきましょう。

一方、二重切開法は瞼の裏側には一切手をつけることなく手術を行うため眼球のトラブルを心配する必要はありません。また皮膚を切開して行うので埋没法と違い永久的な二重を手に入れることが可能なので「いつ元に戻ってしまうんだろう…」という不安を持たずに生活することができます。またまぶたの厚さや脂肪の量に関係なく二重を作ることができますし、患者さんの理想とする形を作りやすいのもメリットとして挙げられます。

しかし埋没法に比べるとどうしてもダウンタイムが長くなってしまうため、仕事や学校の都合で長期間の休みが取りづらいという方には手が出しにくい手術法となります。そして通常は半年ほどすると二重切開の傷跡は馴染んでくるのですが、場合によっては赤みや膨らみが残り一生目立つ形で残ってしまう可能性があるというデメリットもあります。

以上が二重埋没法と二重切開法の特徴となります。それぞれの術式のメリットだけでなく、デメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。

理想の目の形を手に入れるためには他の手術が必要となることも

二重整形手術には2つの術式があることを説明しました。

ですが埋没法と切開法のいずれかを行えば理想の二重が手に入るかというと、そうではありません。二重整形と他の手術を併用することで理想の形に近づけるというのはよくあることです。

では具体的にどのような手術が行われているか見ていきましょう。

まずは目頭切開です。目頭切開は目頭にある蒙古襞を切開して目を鼻側に広げる手術となります。日本人は蒙古襞が発達している方が多く、蒙古襞がある場合に二重を作ろうとすると目頭側の二重のラインが蒙古襞の中に収まっているため末広型二重になります。そのため蒙古襞がある方が平行型二重を望む場合に目頭切開が必要となってくるというわけです。

蒙古襞がある方が目頭切開をせずに平行型二重を作る場合、蒙古襞より上の位置から二重ラインを始めるように作れば可能ではあります。しかしその場合は幅の広い二重になりがちなため、いわゆる「整形っぽい」目になる可能性が高くなります。自然な平行型二重を望むのであれば目頭切開を併用するのがおすすめです。

また白目が見える面積が広がるので目がぱっちりと大きく見えるようになるというメリットもあります。

ですが目頭切開をすると鼻側に目を広げることになるため、もともと目と目の感覚が近い方はさらに目が寄って見えてしまうので、その点は注意が必要となります。

続けて目尻切開です。目尻切開は目尻側に目を広げ、目を大きく見せることができる手術となります。

目は大きくしたいけれど、もともとが寄り目がちで目頭切開を行うとバランスが崩れてしまう場合に選択されることがあります。

またつり目やタレ目などがコンプレックスの方も、雰囲気を和らげることができるのでおすすめとなります。同じように目尻側の印象を変える手段としてタレ目形成という手術もあります。

タレ目形成は目を外側に広げるのではなく、目尻側の下まぶたを切開することで目を大きく見せつつ理想のタレ目を作ることができる手術です。

しかしタレ目形成を行うことで涙が外側に流れやすくなりドライアイになってしまうリスクもあります。また、程度を間違えてしまうとまるで「あっかんべー」をしたような目になってしまう可能性もあるので、目の健康や美しさを考えるとあまりやりすぎない方がいいでしょう。

最後は眉下切開です。こちらは眉の下で余った皮膚を切開することでまぶたのたるみを軽減することができる手術となります。

まぶたの皮膚が余った状態で二重整形をしてしまうと、せっかく作った二重ラインの上に皮膚が覆い被さってしまうため、希望の二重幅よりも狭く見える、奥二重のように見えるという状態になる可能性があります。

そこで眉下切開を行うことでまぶたをすっきりさせ、二重整形の仕上がりを良くするというわけです。

しかし、眉下切開と二重整形手術を行う場合は同時にはできません。一般的には眉下切開をしてたるみを取ってから二重整形手術を行うこととなり、その手術と手術の間隔として3ヶ月〜6ヶ月ほど開ける必要があり、患者さんは2回ダウンタイムを要してしまうというデメリットがあります。

ダウンタイムを1回に済ませたいという場合は二重切開をして、その時に二重ラインを中心として上下の皮膚を切り取って余分な皮膚を取り除くという方法もありますが、この方法のデメリットはたるみを取らずに行う通常の二重切開に比べて傷跡が汚くなりやすいということです。上まぶたの皮膚は眉からまつげの生え際にかけて徐々に薄くなっています。そのため二重ラインの上下の部分で皮膚のたるみを取ってしまうと、厚みの違う皮膚同士をくっつけることになるので不自然さが出やすく、また取れる皮膚の量が限られます。

それに対し眉下切開の場合は患者さんの眉毛の下のラインに合わせて切開していくので眉毛で傷跡部分が隠れ、傷跡を目立ちにくくしつつ、しっかりとたるみを取ることができるのです。

ダウンタイムを優先するのか、仕上がりがより綺麗になるのを優先するのか。その点は患者さんの希望に沿って決めていくこととなります。

以上が一般的な二重以外の目元の手術となります。このように二重整形手術以外の方法も組み合わせることでより患者さんが望む目元に仕上げることが可能となります。

介助できるだけではなく、知識も兼ね揃えた美容外科ナースになろう

今回は二重整形に関する知識面についてお伝えさせていただきました。

未経験で入職したばかりの時期は実践的な手術介助などを覚えるのに必死で、ついつい知識面の勉強が遅れがちになってしまうこともあるでしょう。

ですが知識を持っているかどうかで、患者さんにどれだけ寄り添えるかが変わってきますし、知識があれば広い視点で分析することが可能になります。

一度に覚えられなくとも、繰り返し勉強を重ね自分の糧としていきましょう。次回は実践面についてもお伝えしていきますので、そちらもどうぞお楽しみに!

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つーさん
岩手県出身。アラサー。学生時代は地元で過ごし、新卒で都内の大学病院に勤め看護師生活をスタート。美容ナース歴は5年目。